呪い代行の儀式を行う際、呪文は他の道具とともに重要な役割を持っています。多くの魔女により共通に使われる一般的な呪文から、自らの最大の力を引き出すための魔女独自の呪文までその数は無数と言ってよいでしょう。低く囁くように繰り返し唱えられるもの、力をこめ声高に叫ぶもの、魔女たちが揃って唱えるものなど、その無数の呪文にはそれぞれの意味があり魔女たちはそれらを慎重に使いこなします。
Grantの呪い代行の形式はイギリスで発展したものであるため呪文は英語が使われることが多いですが、意味をなさない言葉の連続、音が呪文になっているケースも多々あります。ケルト語を源にしているとも言われていますが、現在のケルト語には存在しないものばかりで、その真相はわかりません。個々の魔女がそれぞれ発展させた呪文は別として、一般的な呪文は暗記され集団施術で唱えられます。儀式をリードする魔女が呪文を唱え始めると、乱れることなく他の魔女たちがそれに続き、ハーモニーの中で儀式が進行する。荘厳そのものです。
魔女が呪文を唱え始める時、心は雑念としていて未だ日常の中にいます。その雑念に抵抗することなく呪文を続けると、次第に神経が研ぎ澄まされ自然に呪術の世界へ這い入り込んでいる、というのです。一旦儀式が始まれば最大限の力を引き出すと同時に無駄なくスムーズに儀式を進める役割に代わります。魔女は呪術を学び始めた頃から大切に自分だけの教本を作ります。自分だけのBook of Shadowsで、他の魔女に内容を明かすことはまずありません。
Grantのホームページには簡単にできるお呪いを紹介しています。それらの中には呪文を含めたお呪いもありますが、しっかりと暗記をしてから始めてください。呪文は儀式を行うための道具であり、呪文に気を取られていてはお呪いに成果を求めることはできません。リラックスをし呪文を唱える。自然に心は無になりお呪いに集中することができるでしょう。